フリーランス入門

メリットとデメリットから考察するフリーランスに向いている人と向いていない人

フリーランス向いてる人向いてない人

はじめに

フリーランスエンジニアに向いている人と向いていない人ってどんな人?

今回はこんな疑問に答えていきます。

フリーランスエンジニアのメリットとデメリットを理解した上で、フリーランスエンジニアに向いているかどうかを客観的に判断する必要がありますので、まずはメリット・デメリットについて解説します。

また、ここでいうフリーランスエンジニアとは準委任契約のフリーランスエンジニアという前提で解説しております。

フリーランスエンジニアのメリット

メリット①:案件を選べる

フリーランスエンジニアは複数の案件から自分が参画したい案件を選ぶことができます。

「案件選べるほど仕事あるのか」と疑問に思う方もおられると思いますが、最低限の実務経験とスキルをお持ちの方であれば、案件は選びたい放題です。

もちろん参画した案件が自分が思っていた案件とは違ったり、急遽別の案件へアサインされたりすることも稀にあるのですが、準委任契約の場合は基本的に一ヶ月前に契約終了したい旨を伝えれば問題ないので、そういったケースに遭遇した場合は案件を変えればいいだけです。

なお、エージェント経由で案件に参画している場合は、契約終了したい旨をPM等の役職者に直接伝える必要もありません。エージェントがすべて代行してくれますので、案件を変えるハードルは低いです。

一方、正社員エンジニアだとやりたい案件を選ぶことができないことが多いです。

もちろん会社によって例外はあるかもしれませんが、正社員だと基本的にトップダウンで上司にアサインされた仕事をやるしかないので、仕事は選べません。

また、自分がやりたくない案件へアサインされた場合、会社を辞めるという選択肢は確かにあるのですが、フリーランスに比べ、人間関係や雇用関係があるため、辞めるハードルが高いです。

複数の案件から自分が参画したい案件を選ぶことができる

案件も容易に変えられる

メリット②:収入がアップする

こちらは現在の年収とスキルにもよるのですが、基本的には多くのエンジニアは収入がアップするのではないかと思います。

というのも2019年時点でSEの平均年収は550万円、プログラマーの平均年収は415万円と言われており、日本のエンジニアの年収は低すぎるからです。

以下の記事にフリーランスエンジニアの損益分岐点について解説していますので、どのぐらい収入がアップするのか参考にしていただければと思います。

フリーランス手取り
フリーランスエンジニアへの転職で手取り年収アップするかチェックする方法「フリーランスエンジニアは会社員の2倍稼がないといけないのでは?」、「会社員からフリーランスに転職して手取り年収アップする人はどんな人なのか?」という疑問をもった方向けにフリーランスへの転職で手取り年収アップするかチェックする方法をまとめております。...

また、フリーランスエンジニアはスキルが高ければ高いほど収入があがるため、技術的意欲がある方にはおすすめです。

スキルが高ければ高いほど収入があがる

メリット③:人間関係がシンプルになる

正社員だと、人間関係がストレスになることが多いのですが、フリーランスエンジニアはそのリスクが少ないです。

正社員だと例えば、上司との付き合いがあり行きたくもない飲み会に行ったり、上司の顔色うかがって言いたいこと言えなかったり、嫌な上司と仕事することになっても断れなかったり、人間関係がストレスになることが多いかと思います。

しかし、フリーランスは、もちろん全く人間関係がなくなるわけではないのですが、上司と部下の関係ではなく、会社と会社のフラットな関係になるので上記のような煩わしさはないです。

また、エージェント経由でのお仕事の場合はもっとシンプルで、エージェント経由で現在の案件をやめたり、不満など伝えたりできます。

職場の人間関係で悩むことが少なくなる

メリット④:副業ができる

最近ではサラリーマンでも副業OKの会社が増えてきていますが、申請などしないといけない会社が多く、まだまだ世間的にサラリーマンしながらの副業はハードルが高いです。

なので、サラリーマンの人で副業している方は隠れてこそこそ副業しているという方が多いと思います。

しかし、フリーランスであればそういう制約は全くないので、こそこそせずおもいっきり副業できます。

堂々と副業できる

メリット⑤:自分の働き方が決めれる

フリーランスエンジニアは在宅で仕事したいと思うのであれば、リモートワークの現場を選んだり、案件の節目で一ヶ月休んだりという自由な働き方をチョイスできます。

また、在宅の仕事はWeb制作等の請負の仕事しかないイメージがあるかと思いますが、最近ではリモートでの仕事も増えてきております。

リモートや案件節目での長期休暇など働き方をチョイスできる

フリーランスエンジニアのデメリット

デメリット①:社会的信用がない

フリーランスエンジニアは社会的には個人事業主になります。

そして、個人事業主は社会的信用が低いです。特に初めて一年以内だと社会的信用がゼロに近いです。
ボクは金融事故等ないのですが、車のローンすらが通りませんでした。

したがって、家や車など大きな買い物をする予定がある方にとっては、デメリットになります。

ただし、個人事業主を過去3年ほど続け、すべて黒字であればローンを組むことができます。

もちろんローンできる金額は、収入によるので一概には言えないのですが、フリーランスエンジニアで3年間黒字というのは難しくありません。

家や車など大きな買い物をする予定がある方はフリーランスエンジニアへの転職は慎重になるべき。

デメリット②:税金を自分で納める必要がある

正社員のときは、住民税や所得税、国民年金、健康保険などの税金は会社が納めてくれてたのですが、フリーランスになったら自分で帳簿をつけ、確定申告し、自分で納税する必要があります。

ただし、帳簿への記帳や確定申告書、決算書の作成は会計アプリ使えば簡単に確定申告できます。

大した工数かからないので、デメリットにあげるか悩んだのですが、正社員にはないコストですので念のためデメリットとしてあげました。

私はMFクラウドを使っているのですが、自動で銀行での取引やクレジットでの取引が連携されるので記帳がかなり楽ですし、決算書などの確定申告に必要な資料も売上と経費さえ入力しておけば自動で作成してくれます。

確定申告は会計ソフトを利用すれば大した負担ではない

デメリット③:社会保障が正社員に比べ高いかつ充実してない

正社員だと社会保障の金額は会社が半額負担してくれるのですが、フリーランスは全額負担です。

その分、正社員に比べ社会保障が高くなります。

正社員とフリーランスエンジニアの社会保障の大きな違いは健康保険と雇用保険です。

フリーランスエンジニアは国民健康保険に加入することになりますが、その場合正社員の頃に加入していた健康保険よりグレードが下がることが多いです。

例えば、万が一怪我や病気で働けなくても傷病手当的なものは国民健康保険では出ないです。

また、フリーランスエンジニアは雇用保険には加入していないため、「失業給付金」や「育児休業給付金」は使えません。

このデメリットを補うには、民間の保険に加入する、もしくは正社員並の待遇が受けられるエージェントからお仕事をもらうということを検討する必要があります。

補足

奥さんやお子さんがいて万が一のことが不安な場合は、怪我や病気の際に支払われる医療保険や収入保障保険に別途加入しておけば心配ないです。ただ、契約を切られた際はもちろん医療保険や収入保障保険は使えないので、日頃から最低でも1ヶ月分の生活費は貯蓄しておくとよいでしょう。

ちなみに個人的な意見ですが、収入保障保険は妻やお子さんがいらっしゃれば加入してもよいかと思うのですが、医療保険は国民健康保険に加入していれば不要です。理由としては、万が一のことがあり高額な医療費を請求されても高額医療費制度というものがあるので、これを利用すれば収入にもよりますがかなりの医療費が国から補助されます。

民間の医療保険に入る前に、これらの制度を理解し、本当に必要かどうか検討してから加入しましょう。

社会保障費が増える

社会保障のグレードは下がるが、民間の保険に加入すればカバーできる

デメリット④:強固な人間関係を築けない

人間関係がシンプルになるというメリットの裏返しですが、フリーランスだと一緒に飲みに行ったり、遊びにいったりするような強固な人間関係は仕事ではなかなか築けないです。

実際にボクが今でも一緒に飲みに行ったり、遊んだりするのは正社員時代の友人が多いです。

また、正社員のほうが社内勉強会等のイベントがあるので、横のつながりができます。

これをフリーランスの方が補うには積極的に勉強会やもくもく会に参加したりするしかないです。

仕事の中での人脈はできにくい

人脈を広げるには勉強会やもくもく会に参加したりする必要がある

デメリット⑤:作業者としての仕事が多い

フリーランスエンジニアでもPLやPMなどのディレクションを行う職種を募集していることもあるのですが、案件数は少ないです。

多く会社では、PLやPMなどのポジションは正社員に任せます。

理由は以下の通りです。

正社員にはPLやPMで多くの案件を回して利益をあげてほしい

辞める可能性が高いパートナーに換えの効きにくいポジションを任せるのはリスク

ただ、これをメリットかデメリットかどう据えるかは本人次第だと思います。

ボク自身はSIerでマネジメントをやってかなり消耗したので、マネジメントはやりたくない派です。

PLやPMなどのマネジメント職の仕事は少ない

デメリット⑥:未経験の技術を案件で使える機会が少ない

正社員だと未経験の技術を使う案件でも投資の一貫として、任せることが多いのですが、フリーランスはそうはいきません。

フリーランスに求められているのは即戦力だからです。

ただし、全く未経験の技術を案件で使える機会がないのかといいますとそうではありません。

正社員のタスクが逼迫してリソースが不足しているときに、
きちんと実績を残しているエンジニアであれば積極的に手をあげれば任せてもらえることがあります。

ボク自身ReactやVueJsは未経験でしたが、任せてもらえることができました。

未経験の技術を案件で使える機会は少ないが、本人次第でやらせてもらえる

デメリット⑦:年を重ねるほど収入が下がる

フリーランスエンジニアは正社員とは逆で年を重ねるほど収入が下がります。

では具体的にどのぐらいの年齢から収入が下がるのかと言いますと、一般的には40〜50代から収入が下がると言われています。

ただし、フリーランスエンジニアは若いとき20〜30代に稼げるので、年を重ねてからお金を得たいのか若いうちにお金を稼ぎたいのかの違いだと思います。

また、個人的な見解ですが、若いうちにお金を稼いだほうがよいとかん考えております。

若いほうが体力があるので、恋愛も遊びも楽しめます。

また、若いうちにお金を稼いだほうが早い段階で多くの自己投資できるので、のちの人生で多くのリターンを受けることができる可能性が高いからです。

フリーランスエンジニアは若いうちは稼げるが年を重ねるごとに収入が下がる

まとめ:フリーランスエンジニアに向いている人・向いていない人

上述したメリットとデメリットをもとにフリーランスエンジニアに向いている人と向いていない人をまとめます。

向いている人

案件を選びたい

若いうちに稼ぎたい

人間関係で悩みたくない

働き方を選びたい

将来的に起業したい

副業をスケールさせて、エンジニア以外の仕事でも食べていけるようになりたい

向いていない人

強固な人間関係を築きたい

短期間で使える技術を増やしたい

3年以内に家を購入する予定がある

将来的にマネジメント系の職種につきたい

若いときよりも50代になってからお金があったほうがよい

なるべく個人的な主観を除き、客観的にデメリットもあげましたので、フリーランスエンジニアを目指している方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。

フリーランスエンジニア転職完全ロードマップ

知り合いから
「フリーランスエンジニアになれば、年収800万円以上の高報酬でかつ、自由な働き方をチョイスできる」
というのを聞いて、フリーランスエンジニアに興味を持ったのですが、
当時SIer企業でエンジニアをやっていたボクはなかなか一歩踏みだせませんでした。

というもの以下のような不安があったからです。

■フリーランスエンジニアってかなりの技術力がないとなれないのではないのか?

■フリーランスエンジニアって不安定なのではないのか?

■フリーランスエンジニアって人脈やコネ、営業力が必要なのではないのか?

しかし、実際にフリーランスエンジニアになってみて気づきました。

これらはすべて間違いです。

過去のボクのようにフリーランスエンジニアに興味あるけど一歩踏み出せないという方向けに
『フリーランスエンジニア転職完全ロードマップ』
という記事を書きました。

この記事読めば、どうすればフリーランスになれるのかが分かりますので、ぜひ一読ください。