フリーランス入門

フリーランスエンジニアへの転職で手取り年収アップするかチェックする方法

フリーランス手取り

はじめに

フリーランスエンジニアは会社員エンジニアの2倍稼がないといけないのでは?
会社員エンジニアからフリーランスエンジニアに転職して手取り年収アップする人は具体的にどんな人なのか?

今回はこんな疑問に答えていきます。

フリーランスエンジニアは会社員エンジニアの2倍稼がないといけない?

確かに会社員エンジニアはあって、フリーランスにない収入があるため、正社員より稼がないといけないのは事実なのですが、2倍というのはありえません。

どういう根拠で2倍稼がないといけないと言っているのか調べたところ、以下の記事に書かれているような根拠をネット上でちらほら見かけました。

フリーランスと正社員の手取り、同額を得るには?年収は?計算方法と共に紹介!

まず、会社員エンジニアはあって、フリーランスにない収入を誤解されている方が多いようなので、ボクなりの反論と見解を述べさせていただこうと思います。

会社員エンジニアはあって、フリーランスにない収入に関する誤解

誤解①:有給休暇

法律上の有給休暇の日数は最大で20日分であるため、完全週休2日制の会社であれば、年間で1ヶ月分の収入を得ているのと同じ。

フリーランスエンジニアには有給がないと思われがちですが、準委任契約の場合、月の最低稼働時間は平均で140〜150hで定められていることが多いため、営業日数が多い月や数日稼働時間が多い日があれば月に1〜2日は休むことができます。

ボク自身もほぼ毎月土日以外で月に2日は休んでおります。

また、請負契約のケースでもその人のスキルによっては通常1ヶ月かかる仕事を2〜3日早く終わらせることは可能です。

したがって、有給休暇については会社員エンジニアとフリーランスではほぼ同等の権利があるため、収入の比較対象に入れるのは誤りです。

誤解②:残業や休日出勤の手当て

フリーランスエンジニアには残業や休日出勤の手当てがないと思われがちですが、こちらも準委任契約の場合、月の最大稼働時間を超えれば支払われます。月の最大稼働時間は平均で180〜200hであるため、毎日2h以上残業してしまった場合や休日出勤して最大稼働時間が超えてしまった場合は超過料金が支払われます。

また、所感ですが会社員エンジニアに比べ、フリーランスエンジニアは社内での雑務(プロパー会議やパートナー管理、計数管理等)がないこともあり、残業することはあまりないです。

さらに、自社開発企業は勤怠に関してホワイトな会社が多いので、残業がほとんどない印象があります。

したがって、残業や休日出勤についてはフリーランスでも支払われるケースがあるかつそもそも残業は参画する会社や案件に依存するため、収入の比較対象に入れるのは誤りです。

誤解③:退職積立金

正社員には退職積立金がある

フリーランスエンジニアには退職金はないと思われているのですが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の節税効果を考えれば同等もしくはそれ以上なのではないかと考えております。

iDeCoの節税効果

掛金が全額所得控除

運用益が非課税

受け取るときも非課税

iDeCo公式サイト

また、自営業の場合、積立掛け金の上限が月額 6万8000円なので、年間81万6000円節税することが可能です。

会社員もiDeCoに加入することもできるのですが、積立掛け金の上限は約2万円(※)です。

また、最近では退職金として企業型確定拠出年金を利用している会社も多いのですが、積立掛け金の上限は5万5000円(※)ですし、掛け金は企業が負担しているため、所得控除の対象にはならないです。

(※)条件により異なります。

したがって、退職積立金についても会社員エンジニアとフリーランスではそれぞれにメリットがあるため、収入の比較対象にはならないです。

誤解④: 給与所得控除額

そもそも給与所得控除制度は、フリーランスなどの自営業者は仕事のための必要経費を収入から差し引くことができるが、給与所得者は差し引くことができないという不公平を解消するために設けられた制度ですので、こちらも収入の比較対象にはならないです。

会社員エンジニアはあって、フリーランスにない収入とは?

それは、社会保険料です。

正社員は社会保険の半額を会社が支払ってくれているため半額負担ですが、フリーランスは全額自己負担です。

会社員VS自営業で比べてみよう!社会保険はこんなに違う

この差が会社員エンジニアはあって、フリーランスにない収入となります。

社会保険料は給与の約3割であるため、会社員エンジニアは、約1.5割得(※2)をしていることになります。

(※2) 雇用保険や労災保険、厚生年金についてはフリーランスは加入していないため、比較対象からは除外しております。

会社員エンジニアからフリーランスエンジニアに転職して手取り年収アップする人は具体的にどんな人なのか?

会社員での年収の約1.2倍以上の年収がフリーランスエンジニアになって稼げるのであれば、フリーランスになったほうが手取り年収があがります。

これは、さきほど述べた社会保険料の差(約1.5割(0.15))に余裕を持たせるために、四捨五入した数値となります。

なお、家賃保証や自社の株主優待などの福利厚生等の収入はない前提での数値となりますので、もしそのような福利厚生がある場合は、その収入も足した上で比較してください。

フリーランスエンジニアの収益はどのぐらい見込めるのか?

スキルにもよるのですが、以下の記事に記載しているようなスキルを持っている平均的なエンジニアであれば、最低でも月単価60万円の案件に参画できます。

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フリーランスエンジニアになるまでに準備しておくべきスキルセット〜実務経験編〜「フリーランスエンジニアになる前にどんな実務経験を積んでおいたほうがいいのか?」、「そもそも具体的にどんな実務経験を積めばいいのか?」という疑問をもっている方向けに「フリーランスになるまでに最低限必要な実務経験」と「フリーランスになるまでに積んでおいたほうがよい実務経験」を解説しております。...
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月単価60万円だと年収は720万円ですので、上記のようなエンジニアであれば損益分岐点は年収600万円(※)となります。

(※)損益分岐点(万円) × 1.2 = 720 → 損益分岐点(万円) = 600万円

つまり、上記のようなエンジニアで正社員として年収600万円以上あるのであれば、フリーランスエンジニアへ転職すると手取り年収は下がりますし、逆に年収600万円以下なら手取り年収はあがります。

フリーランスを検討されている方は、フリーランスになったらどれぐらい得するのか、もしくは損するのか計算してみてください。

自身の単価を正確に知る方法

複数のフリーランスエージェントと面談することです。

面談すると、実際に保有している案件をもとにあなたがフリーランスになった場合の単価を提示してくれます。

また、注意点ですが、ひとつのエージェントに登録しているだけだと、極端に少ない額の単価を提示されたりしても気づけませんので、複数のエージェントに登録して、単価の査定をしてもらうとだいたい自分の相場が見えてきます。

以下の記事でボクが厳選したエージェントを紹介してますので、ぜひ参考にしてみてください。

おすすめエージェント
【徹底比較】現役フリーランスエンジニアが厳選したフリーランスエージェント現役フリーランスエンジニアのボクが実際に15社ぐらい登録および面談した中で特にオススメだと感じたフリーランスエージェントをご紹介します。また、どういう方向けのエージェントなのかも解説しておりますので、ご参考にしていただければと思います。...

まとめ

■ フリーランスエンジニアの損益分岐点は正社員の給与の約1.2倍。

■ 1.2倍以上の収益が見込めるならフリーランスエンジニアになれば手取り年収はあがる。

■ フリーランスエンジニアになった場合の単価を正確に知るため、複数のエージェントと面談する。

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。

フリーランスエンジニア転職完全ロードマップ

知り合いから
「フリーランスエンジニアになれば、年収800万円以上の高報酬でかつ、自由な働き方をチョイスできる」
というのを聞いて、フリーランスエンジニアに興味を持ったのですが、
当時SIer企業でエンジニアをやっていたボクはなかなか一歩踏みだせませんでした。

というもの以下のような不安があったからです。

■フリーランスエンジニアってかなりの技術力がないとなれないのではないのか?

■フリーランスエンジニアって不安定なのではないのか?

■フリーランスエンジニアって人脈やコネ、営業力が必要なのではないのか?

しかし、実際にフリーランスエンジニアになってみて気づきました。

これらはすべて間違いです。

過去のボクのようにフリーランスエンジニアに興味あるけど一歩踏み出せないという方向けに
『フリーランスエンジニア転職完全ロードマップ』
という記事を書きました。

この記事読めば、どうすればフリーランスになれるのかが分かりますので、ぜひ一読ください。